遊具設計技術者が注意すべき遊具の設置環境

遊具の設置環境について

遊具を設計する際、設置する公園等の設置規模、自然的条件、施設の相互関係、安全性について検討が必要である。

① 施設規模

遊具は、公園等の公的施設に設置される場合が多く、その性格も街区の住民による利用を目的としたものから、都市の住民全般の運動に用いられることを目的としたものまでさまざまであることから、これらの種類、用途に適した規模と内容が求められる。
遊具設置に関連する主な公園の種類を下表に示す。

種類種別内容








街区公園主として街区に住居する者の利用に供することを目的とする公園で誘致距離250mの範囲内で1箇所当たり面積0.25haを標準として配置する。
近隣公園主として近隣に住居する者の利用に供することを目的とする公園で1近隣地区当たり1箇所を誘致距離500mの範囲内で1箇所当たり面積2haを標準として配置する。
地区公園主として徒歩圏内に住居する者の利用に供することを目的とする公園で誘致距離1kmの範囲内で1箇所当たり面積4haを標準として配置する。





総合公園都市住民全般の休息、鑑賞、遊戯、運動会等総合的な利用に供することを目的とする公園で都市規模に応じ1箇所当たり面積10~50haを標準として配置する。
運動公園 都市住民全般の主として運動用に供することを目的とする公園で都市規模に応じ、1箇所当たり面積15~75haを標準として配置する。
② 自然条件

遊具は設置する場所の地形や気候によって、劣化の進み具合に大きな違いが生じてくる。特に海岸付近に設置する遊具は十分な防錆加工が施されていないと短時間に腐食し、遊具の安全な利用に支障をきたすこととなる。また、積雪による荷重や風荷重、紫外線による劣化などによる影響についても充分な配慮が求められる。

③ 設置空間

遊具配置には、遊具本体を設置するのに必要な空間と、遊具を軸とした遊びスペース(安全領域)が必要である。

④ 遊具配置

・遊具の配置において、公園内及び遊具間の動線(人の動き)の交錯、遊び方における遊具の向き、周辺の障害物及び樹木の配置等について考慮する。

・年齢層によって、遊具への好奇心・楽しみ方・運動能力が異なるため、安全性の観点から遊具を含む遊びスペースの配置を検討する。

・不審者等からの安全性確保を踏まえ、保護者を含めた越えん利用者から遊び場の視界を遮蔽しないよう、遊び場を見渡せる位置に休憩所やベンチを設置するといった配置検討に留意する。